虫歯治療をしたからといって、その歯が二度と虫歯にならないわけではありません。
むしろ治療した歯が再度虫歯になるケースは非常に多く、これを二次虫歯(二次カリエス)と呼びます。
実際、成人の虫歯において二次虫歯は多くの割合を占めているのです。
ここでは、二次虫歯が起こる要因を考え、その対処となる改善策を説明していきます。
目次
詰め物や被せ物は人工物ですから、これら自体が虫歯になることはありません。
しかし、詰め物や被せ物の奥には本来の歯が存在しています。
本来なら詰め物や被せ物が歯を覆っているのですが、ここに隙間が生じることがあるのです。
詰め物や被せ物の隙間から虫歯菌が侵入すると、その奥にある歯が虫歯になってしまうのです。
ごく稀なパターンに思うかもしれませんが、実は歯科治療の7割近くがこうした二次虫歯の治療です。
最もマズいのは、「二次虫歯、治療、二次虫歯、治療」と何度も繰り返してしまうことです。
上記で説明したとおり、二次虫歯のきっかけは詰め物や被せ物の隙間から虫歯菌が侵入することです。
では、そもそもなぜ詰め物や被せ物に隙間が生じてしまうのでしょうか。その理由はいくつか考えられます。
最も多いパターンが、詰め物や被せ物の劣化です。
例えば、銀歯やプラスチックの詰め物や被せ物は4年か5年ほどで劣化が目立つようになり、
歯との接着がはがれて隙間が生じます。また、元々詰め物や被せ物が歯とピッタリ合っていない場合も、
わずかな隙間が生じていてそこから虫歯菌が侵入してしまうことがあります。
虫歯治療で削り、二次虫歯になることでまた削る、二次虫歯が繰り返されることでこのサイクルになります。
もちろん削った歯は再生しませんから、これが繰り返されるといずれ歯を失ってしまいます。
また、最初の虫歯治療で神経を除去している場合はさらに問題があります。
それは、神経を除去していることで痛みを感じず、二次虫歯であること自体に気付きにくいことです。
さらに、いくら隙間が生じても詰め物や被せ物をしている以上、その箇所を充分にブラッシングできません。
ブラッシングできなければ細菌を除去できないですし、予防自体も難しくなるのです。
二次虫歯の要因を考えることで、同時に予防方法も分かります。
まず、二次虫歯の要因の主なものは「詰め物や被せ物の劣化」と「隙間が生じること」にあります。
と言うことは、「劣化を防ぐ」、「隙間を生じるのを防ぐ」、これらの方法を行えば予防できるわけです。
また、詰め物や被せ物の劣化をゼロにすることはできないですから、
「劣化してもそれに気付く状況を作る」というのも効果的な予防方法になります。
ではどうすればそうできるのか、その具体策を以下で説明していきます。
劣化を防ぐ、隙間が生じるのを防ぐ方法として最適なのが、
詰め物や被せ物の素材にセラミックを選ぶことです。セラミックは金属に比べて寿命が長く、
さらに歯との接着の相性が抜群です。このため、長持ちする上に接着の効果も優れているのです。
また、セラミックは銀歯やプラスチックに比べて格段にプラークが付着しにくいという特徴も持っています。
つまり、セラミックは長持ちする上に接着にも不安がなく、さらに清潔を維持しやすいのです。
ただし、セラミックは保険が適用されないため、優れている反面、費用が高いという欠点もあります。
定期検診が行えるのは、何も内科の世界だけではありません。
歯科の世界でも定期検診はありますし、それは歯科医院で行うことができます。
歯科医院の定期検診に通っていれば、詰め物や被せ物の劣化にも気付くことができます。
このため、これらに問題があった場合でもすぐに対処できますし、
何より口腔内全ての健康状態を確認できる点で、確実な虫歯予防になるのです。
また、仮に二次虫歯を引き起こしたにしても、自覚症状のない初期段階での発見が可能です。
いかがでしたか?
最後に、治療した歯はまた虫歯になるのかについてまとめます。
これら6つのことから、治療した歯はまた虫歯になるのかが分かります。
一度治療した歯が再び虫歯になることはありますし、そのパターンはむしろ多いのです。
また、二次虫歯の予防は単にブラッシングだけでできるものではありません。
予防するには、セラミックなどの二次虫歯になりにくい素材で虫歯治療をする、
定期検診を受けて口腔内の健康状態に気を配るなどの意識が必要です。