宇都宮の歯医者さん、桜ケ丘デンタルクリニックです。
今回のテーマは「歯磨きした時に歯茎から出血する原因」です。
歯磨きをして歯茎から出血した時、単に歯ブラシで傷つけただけだと考えてしまう人がいます。
最も、その可能性はゼロではないものの、歯茎からの出血はお口が発する危険信号の可能性が高いのです。
つまり、お口の中で何らかのトラブルが発生していて、その影響で歯茎から出血するということです。
そこで、ここでは歯磨きして歯茎から出血した際、考えられるトラブルについて解説していきます。
目次
歯磨き時の歯茎からの出血は歯周病の可能性が最も高いです。
さて、そもそもなぜこうした出血が起きるかですが、
歯と歯茎の間にプラークが溜まることで歯周病になると、その影響で歯茎が炎症を起こします。
やがて、歯周病が進行するにつれて炎症を起こした歯茎は赤く腫れていきます。
この時、歯茎に細菌から身を守るための免疫作用が働き、細菌をやっつけるために白血球を集めます。
そして、その結果無数の細い毛細血管が集まることになるのです。
つまり、歯茎の腫れている箇所に細い毛細血管が集合した状態になるわけで、
その箇所を歯磨きすることによって血管が破れて出血してしまうのです。
歯茎から出血すると歯磨きするのに抵抗が出てしまいますが、
歯磨きしなければお口の中でどんどん細菌が繁殖してしまいます。
このため、例え歯茎から出血したとしても毎日の歯磨きが必要です。
とは言え、こうした場合は歯磨きの方法を工夫しなければなりません。
まず、歯茎が炎症を起こしていると上記の項目で解説したとおり、少しの刺激で出血しやすい状態にあります。
そこで、歯ブラシをやわらかめのものに交換し、磨き方自体も優しく磨くようにしてください。
それでも出血は起こると思いますが、優しく磨くことを繰り返すうちに徐々に出血しなくなります。
また、歯茎の付近に汚れが溜まっている可能性が高いので、デンタルフロスで確実に汚れを落としましょう。
上記の歯磨きを繰り返していれば、数週間ほどで出血しなくなるでしょう。
しかし、だからと言って問題が解決したわけではなく、歯周病であるなら歯科医院での治療が必要です。
出血した時点で歯科医院に行くのはもちろん、例え出血がおさまっても必ず診察を受けてください。
もしかすると歯周病以外の可能性もありますし、それも診察を受ければ確実に分かります。
また、歯科医院では歯磨きの方法を指導してもらうこともできるため、
それをマスターしておければ歯茎を傷つけるリスクも少なくなりますし、
何より歯磨き自体の精度が高まり、今後の虫歯や歯周病予防に繋がります。
歯茎からの原因が歯周病だとして、さらにそれを放置するとどうなるのでしょうか。
まず歯周病が進行することで顎の骨が溶かされ、歯がグラつくようになってきます。
そして、顎の骨が溶かされた影響で歯茎が退縮し、歯が長くなったように見えてきます。
この時、歯の根元が露出することになりますし、歯の根元は刺激に敏感であるため、
冷たいものや熱いものを飲食した時にしみや痛みを感じてしまうようになるのです。
さらに歯周病が進行すると歯は完全に抜け落ちてしまうため、結果的に歯を失うことになるのです。
歯磨きをして歯茎から出血するのは、ここで解説してきたとおり歯周病の可能性が高いでしょう。
しかし、あくまでそれは可能性が高いという話ですし、他に考えられる原因についても触れておきます。
まず歯磨きの仕方自体に問題があり、ブラシの圧や磨き方が強すぎて歯茎を傷つけた可能性もあります。
また、歯ぎしりが原因で歯茎から出血することもあるのです。
この場合は歯ぎしりで歯が揺さぶられ、その影響で歯茎に炎症が起きて出血するという流れです。
さらに生活習慣が関わっていることもあり、例えば喫煙が原因となっての歯茎からの出血です。
喫煙すると歯茎の内側が常に腫れた状態になり、出血しやすい傾向にあるのです。
歯周病以外には、こうしたことが原因で歯茎から出血した可能性もあります。
いかがでしたか?
最後に、歯磨きした時に歯茎から出血する原因についてまとめます。
これら5つのことから、歯磨きした時に歯茎から出血する原因が分かります。
歯磨きして歯茎から出血した時、最も大切なのは歯科医院に行くことです。
今回、解説の中で何度も「可能性」という言葉が登場しました。
その言葉どおり、実際に診察してみないことには原因を特定できないのです。
そもそも本当に歯周病だとすると治療が必要になりますし、
詳しい原因や治療のためにも、歯磨きした歯茎から出血した時は必ず歯科医院で診察を受けてください。