宇都宮の歯医者さん、桜ケ丘デンタルクリニックです。
今回のテーマは「歯周病と虫歯とでは予防方法は違うのか」です。
歯周病と虫歯…どちらもお口の中の病気でありながら、症状は全く異なります。
また、歯周病は歯肉の病気で虫歯は歯の病気ですから、症状が起こる箇所自体も異なります。
つまり症状もそれが起こる箇所も全く異なっているため、気になるのはそれぞれの予防方法です。
それが今回のテーマでもありますが、ここで結論を言っておくと予防方法は同じです。
では同じ予防方法なのになぜ一方だけ起こるのか?具体的にどんな予防なのか?
誰もが気になるこのあたりのことを以下でお答えしていきます。
歯周病と虫歯では、確かに症状の起こる箇所が全く異なります。
しかし、それぞれの症状を招く細菌は全く同じところに潜んでおり、それがプラークです。
そもそもプラークには億単位の細菌が潜んでおり、歯周病菌や虫歯菌もその中に含まれているのです。
歯周病を予防するには歯周病菌が潜むプラークを除去するのが基本ですし、
虫歯を予防するには虫歯菌が潜むプラークを除去するのが基本です。
つまりどちらもプラークの除去が予防の基本であり、その点から予防方法は同じと言えるのです。
同じ予防方法にもかかわらず歯周病か虫歯のどちらか一方だけ起こる…それは珍しいことではありません。
しかし、同じ予防なのになぜ一方を予防できてもう一方を予防できないのか、疑問に感じる人もいるでしょう。
その答えは簡単で、それぞれの症状を引き起こす細菌の種類が異なるからです。
確かに、常にお口のプラークを完全に除去できればどちらも予防できるでしょうが、
実際にはいくら歯磨きをしても磨き残しはありますし、プラークの何割かがそのまま残った状態になります。
この時、残ったプラークに歯周病菌が含まれていれば歯周病に、虫歯菌が含まれていれば虫歯になるのです。
症状の要因となる細菌が異なる以上、こうしたケースは稀ではないのです。
ここからは歯周病と虫歯の具体的な予防方法を説明していきます。
まず予防の基本となるのは毎日の歯磨きですが、ただ磨くだけではどちらも予防できません。
歯磨きの効果を発揮するには精度の高い歯磨きが必要で、極力磨き残しをなくすのがポイントです。
そのためには、ブラッシングだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシも使いましょう。
どちらもプラークの除去率を2割高める効果があります。
ちなみに、デンタルフロスは虫歯予防、歯間ブラシは歯周病予防に効果的とされており、
両方使用すればもちろん効果は高いですが、一般的には一方だけでも充分です。
歯周病は歯周病菌、虫歯は虫歯菌によって起こり、
種類は異なるもののどちらも細菌に感染することで起こります。
さて、細菌への感染のリスクに大きくかかわるのが身体の免疫力で、免疫力が高ければ感染しにくくなります。
そして、身体の免疫力の強さを大きく左右させるのが毎日の生活習慣です。
疲労やストレス、食生活による栄養の偏りは免疫力の低下を招き、細菌に感染しやすくなってしまいます。
このため、生活習慣を改善して高い免疫力を維持できれば細菌に感染しにくくなり、
細菌に感染しにくくなることは歯周病菌や虫歯菌に感染しにくくなることを意味するのです。
歯周病や虫歯を予防する上で欠かせないのが、歯科医院の定期検診です。
歯科医院は症状を治すために行くという人が多いですが、予防のために行くこともできるのです。
定期検診ではお口のクリーニングを行うため、これによってプラークを完全に除去できます。
さらにブラッシング指導を受けることで歯磨きの精度が高まりますし、
上記で説明した生活習慣改善のアドバイスも貰えます。
また、定期検診を受けていれば本来気付かない初期の歯周病や虫歯を発見できるため、
進行する前の段階で確実に治療することが可能です。
いかがでしたか?
最後に、歯周病と虫歯とでは予防方法が違うのかについてまとめます。
これら5つのことから、歯周病と虫歯とでは予防方法が違うのかが分かります。
予防方法が同じなことは冒頭で説明しました。
予防の基本は3つで、精度の高い歯磨きと生活習慣の見直しと定期検診です。
これら3つを徹底すれば、歯周病も虫歯も大抵防げます。