宇都宮の歯医者さん、桜ケ丘デンタルクリニックです。
今回のテーマは「保険の入れ歯と自費の入れ歯の違い」です。
「入れ歯=保険適用」のイメージがありますが、全てがそうというわけではありません。
保険が適用されない入れ歯、つまり自費の入れ歯も存在するのです。
これらを比較した場合、費用だけに注目するなら保険の入れ歯を選ぶべきでしょうが、
自費の入れ歯には保険の入れ歯とは全く違ったメリットがあるのです。
保険の入れ歯と自費の入れ歯、それぞれのイメージを一言で表現すると、
保険適用の入れ歯は「最低限の仕上がりであるマニュアルに沿った入れ歯」です。
そもそも健康保険適用においては「最低限の治療」というのが条件になりますし、
その意味でも入れ歯の仕上がり…つまり完成度は最低限のものになるのです。
一方自費の入れ歯のイメージは「オーダーメイド」です。患者さんひとりひとりに合った仕上がりになっており、
その分入れ歯も時間を掛けて作ります。選べる材質なども多いため、
まさに自分のためだけの入れ歯だと言えるでしょう。それだけ材質にこだわって時間も掛けるため、
費用は高くなるもののそれに見合った完成度を誇っているのも事実です。
保険適用の入れ歯は、人工の歯で使用できる色や形が限定されています。
このため、自分の歯の色や形によっては人工の歯がひどく不自然に見えてしまう可能性もあります。
選べる種類が少ない上、それらは自分の歯を元に作られたわけでもないですから、
自分の歯と色も形も違うのはある意味当然と言えるでしょう。
一方自費の入れ歯の場合、人工の歯はその人に合う色や形が見つかりやすいのです。
これは何より、人工の歯として選べる色や形の種類が豊富だからです。
ただし、これはあくまで見栄えにおける違いのみで、人工の歯の仕様はどちらも入れ歯に変わりありません。
このため、いくら自費の入れ歯でもインプラントのような快適さと耐久性があるわけではないのです。
保険適用の入れ歯の歯肉の部分は意外としっかりしています。
汚れも付着しにくいですし装着した感じにも違和感がないため、不自由に感じることはないでしょう。
ただし、歯肉と形態として選べる種類は少なく、人によってはやはり不自然な見た目になってしまいます。
つまり保険の入れ歯の歯肉の部分は、使い勝手は良くても審美性に欠けているのです。
一方自費の入れ歯の歯肉の部分ですが、使い勝手は保険の入れ歯同様に快適です。
汚れが付着しにくい、装着に違和感がない、これらの特徴をしっかりと持っています。
また、自費の入れ歯の歯肉の部分はそれに加えて審美性にも優れています。
選べる歯肉の形態の種類が多いため、自分の本来の歯肉に合った自然な歯肉を再現できるのです。
保険適用の入れ歯の義歯床の部分は非常に分厚くなっています。
これは、義歯床の部分が割れやすいためにその対処してわざと分厚くしてあるのです。
このように分厚くすることで割れやすさには対処できているのですが、
分厚いことで熱を感じにくくなるという大きな問題があります。
熱を感じにくければ食べたものの温度が分かりづらくなり、飲み込んだ時に火傷を招く恐れがあるからです。
一方自費の入れ歯の義歯床の部分は、入れ歯が落ちないようにしっかりと固定されています。
さらに素材を金属にすることで薄くできるため、熱を感じにくいという事態も起こりません。
装着感の良さや熱の感じやすさなど、あらゆる点で自費の入れ歯の義歯床の方が優れています。
保険適用の入れ歯の維持装置は、他の残った歯を囲むようにして固定します。
このため、口を開いた時に維持装置が見えてしまいますし、慣れないうちは装着に違和感もあるでしょう。
また、口を開いた時に維持装置が見える点から、人との会話や笑顔を見せることに抵抗を感じるようになり、
それがコンプレックスに繋がってしまうケースもあります。
一方自費の入れ歯の維持装置は他の残った歯に大きな負担をかけないですみますし、
維持装置の種類次第では口を開けても維持装置が見えてしまうことはありません。
残った歯に負担をかけないことは残った歯を守ることに繋がりますし、
何より維持装置が見えない点で審美性にも優れているのです。
いかがでしたか?
最後に、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いについてまとめます。
1. 入れ歯のイメージ :保険の入れ歯は「最低限の仕上がり」、自費の入れ歯は「オーダーメイド」
2. 歯の部分の違い :保険の入れ歯は選べる種類が少なく、自費の入れ歯は選べる種類が多い
3. 歯肉の部分の違い :保険の入れ歯は審美性に欠け、自費の入れ歯は審美性に優れている
4. 義歯床の部分の違い :保険の入れ歯は熱を感じにくく、自費の入れ歯は熱を感じられて違和感もない
5. 維持装置の部分の違い :保険の入れ歯は審美性に欠け、自費の入れ歯は審美性に優れている
これら5つのことから、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いが分かります。
このように、仕様が見た目など全てにおいて自費の入れ歯の方が優れています。
ただし自費の入れ歯は費用が高くなるため、
保険の入れ歯との費用の差をどう捉えるかによって自費の入れ歯の評価は変わります。
費用の安さを最優先するなら保険の入れ歯がおすすめですし、
見た目や使い勝手…つまり質を最優先するのであれば自費の入れ歯がおすすめです。