宇都宮の歯医者さん、桜ケ丘デンタルクリニックです。
今回のテーマは「人によってある虫歯のなりやすさの違い」です。
誰もが虫歯を予防するため、毎日歯を磨いています。
しかし、人によってはいくら歯を磨いてもすぐ虫歯になってしまう人がいますし、
その一方で普通に歯を磨く程度でも全く虫歯にならない人がいます。
さて、この差は偶然のものなのでしょうか。
これは偶然ではなく、人によって虫歯のなりやすさに差があるのが事実です。
では何が原因で差が生まれるのか?…ここではその原因についての説明をしていきます。
虫歯予防の基本は歯磨きですし、誰もが毎日歯磨きをしています。
そして歯磨きをする頻度はほとんどの人が同じでしょうが、精度には差があります。
例えば、短時間で適当に磨く人の場合は磨き残しも多く、虫歯になるリスクも高くなるでしょう。
一方、ブラッシングだけでなくデンタルフロスまで使って磨く人は磨き残しが少なく、
そのため虫歯になるリスクも低くなるでしょう。このように、歯磨きの仕方で大きな差が生まれます。
歯磨きにおいて大切なのは頻度ではなく精度です。1日1回の歯磨きでも精度の高い歯磨きを実践していれば、
1日3回適当に磨く人に比べて虫歯になりにくいのです。
虫歯予防において唾液は重要な役割を果たしており、それは細菌の洗浄です。
口の中の細菌を洗い流す…それが唾液の役割であり、だからこそ食事の時には多くの唾液が分泌されます。
そして唾液は人によって質が異なり、それもまた虫歯へのなりやすさの差を生む原因になっています。
まず唾液がネバついてさらに分泌量が低い…このタイプの唾液の人は虫歯になりやすくなります。
ネバついているせいで細菌を流せず、さらに分泌量が低いことで口の中全体に唾液が届かないですからね。
逆に虫歯になりにくい唾液の質とは、サラサラしていて分泌量が高いタイプの唾液です。
サラサラしているため細菌を流しやすくなりますし、分泌量が高いことで口の中全体に唾液が届くからです。
食生活の違いでも虫歯のなりやすさに差が生まれます。具体的には以下の2つの違いです。
・糖類の摂取量
虫歯の原因菌は酸を出して歯を溶かし、歯が溶かされることで虫歯になります。
糖は虫歯の原因菌のエネルギー源ですから、糖類の摂取量が多い人は虫歯になりやすくなります。
・食事のスタイル
食事の際には歯に脱灰が起こって虫歯の第一歩が進みますが、食事後は再石灰化によって元に戻ります。
しかしダラダラ食いをしていると再石灰化が行われるタイミングが失われ、虫歯になりやすくなるのです。
これは子供の虫歯において多いケースです。
…このように、糖類の摂取量や食事のスタイルによっても虫歯のなりやすさに差が生まれます。
虫歯は虫歯の原因菌に感染することで起こる病気…すなわち細菌の感染症です。
その点では風邪に似ており、身体の免疫力が高い人ほど虫歯になりにくいのです。
そこでポイントになってくるのが日常生活の過ごし方です。
疲労やストレスを溜めて身体の免疫力が低下している人と、これらを上手く解消して免疫力が高い人、
同じ歯磨きの仕方をしていたとしても、この場合前者の人の方が虫歯になりやすくなります。
いくらしっかり予防していても日常生活の過ごし方次第では、虫歯になるリスクを高めてしまうのです。
歯並びの悪さは審美性の問題だけでなく、虫歯へのなりやすさの問題も生みます。
と言うのも、凸凹した歯並びでは歯磨きしづらいため、虫歯予防が不充分になってしまうからです。
また、歯並びが悪い人は噛み合わせが悪く、噛み合わせの悪さも虫歯になるリスクを高めます。
噛んだ時の歯と歯がぶつかる衝撃でプラークを落とすことができますが、
噛み合わせが悪ければぶつからない歯と歯が出てしまい、プラークを落とせなくなるからです。
このため、歯並びや噛み合わせの程度の違いも虫歯のなりやすさの差を生みます。
いかがでしたか?
最後に、人によってある虫歯のなりやすさの違いについてまとめます。
1. 歯磨きの精度の違い :重要なのは頻度ではなく精度。精度の違いが虫歯のなりやすさの差を生む
2. 唾液の質の違い :サラサラしていて唾液の分泌量が高い人は虫歯になりにくい
3. 食生活の違い :糖類の摂取量、食事のスタイルの違いが虫歯のなりやすさの差を生む
4. 日常生活の違い :身体の免疫力の高さの違いが虫歯のなりやすさの差を生む
5. 歯並びの違い :歯並びが悪ければ歯磨きがしづらくなるため、虫歯になりやすくなる
これら5つのことから、人によってある虫歯のなりやすさの違いについて分かります。
これらの点で虫歯のなりやすさに差が生まれるため、人によっては虫歯になりやすい人がいます。
それは不公平だと思うかもしれませんが、それでもしっかりと予防すれば虫歯は防げます。
そもそも歯磨きだけではいくら精密に行っても虫歯の予防として不充分ですから、
生活習慣の改善や定期検診を受けるなどして、少しでも予防効果を高められるように努めましょう。